412.KENICHI OBANA

「放蕩息子の帰還」

柴又に自生する植物と、雄大に流れる川の水面。

そして遠くを見つめる金色に輝く覆面男を、部屋の中に散りばめてみました。

今回の作品のテーマは「放蕩息子の帰還」。

父から遺産を譲り受けて旅に出た男が、放蕩の限りを尽くして一文無しになったにもかかわらず、苦渋の決断で家に戻った息子を父親が暖かく迎い入れた、という説話が元になっています。

大きなバックパックを背負った黄金の覆面男は帰還した「放蕩息子」をイメージ。

このゲストハウスに集う人々に対し、どんな人でも両手を大きく広げて暖かく歓迎する。

そんな大切な空間になってほしいという願いを込めて作品を制作しました。
尾花 賢一
1981年群馬県生まれ。筑波大学芸術専門学群卒業。筑波大学芸術研究科修了。
日常の風景やエピソードから、ドローイングや彫刻を制作。虚構と現実を微妙な距離感で往来した「偽の物語」を表現し、現実世界に広がる矛盾や不条理をあぶり出すことを試みている。

http://www.obanakenichi.com