407.NOBUMI FUKUI

ここはごきげんなばしょ

柴又帝釈天にある下山仏をモチーフに描かせていただきました。

この下山仏は、帝釈天の端のほうの木陰に二体並んで座っています。

富士山から運ばれてきたと聞き、運んだ人々の労力とそれを突き動かす情熱に驚き、背中に残る生々しい傷にまた驚き、柴又へ来るまでどのようなストーリーがあったのだろうかと想像を巡らせました。

最初は、もしかすると、仏像自身は人々の行為によって傷だらけになりながら運ばれてきて、不本意だったかもしれないと、それでも二人一緒ならと思っていたいたかもしれない。

けれどいまここに鎮座する様子はとても穏やかで、帝釈天にお参りする人々を日々見守り、この仏像にとっては柴又という地が家であることを感じました。

同じように、どこかから縁があって柴又へ、FU-TENへ来た人にとって、ホームとなるような部屋にしたいと思いながら描きました。部屋の入り口に富士山がそびえ、窓の外の柴又へ向かって気持ちよさそうに浮遊する二体の下山仏を描いています。
福井 伸実
東京在住。武蔵野美術大学油絵学科油絵専攻卒。恋する絵描き。 展示開催、グッズ制作展開、トークやライブペイントのイベント開催など多岐に渡った活動をしながらも、ゲスの極み乙女など音楽系アーティストのアートワークデザインをはじめ、ノベルティやライブのツアーグッズ、ポスター等の制作も手がけている。 少女や女性をモチーフに、可愛いけれど毒のある作風が幅広い世代に評価されている。

http://fukuinobumi.jp